一般社団法人 千葉県造園緑化協会
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社会貢献(造園協会の森 フォローアッププロジェクト活動)

造園協会の森 フォローアッププロジェクト活動

■ これまでの流れ・・・

 九十九里海岸沿いの美しい風景は、現在、マツノザイセンチュウによる被害を始め、様々な要因により松枯れが増え、荒野のような風景がいたる所で目立つようになりました。
 この現状は、美しい風景が失われたのと同時に、海岸保安林のもつ本来の目的である、飛砂・潮風・波浪・高潮・津波等による被害の防止、または軽減するなどの災害防止機能の大幅な低下に繋がっています。
 現在、九十九里地区における海岸県有保安林においては、計画的な復旧・再生が急務となっています。
 協会では社会貢献活動の一環として、千葉県の推進する「法人の森」制度に基づき、平成23年1月4日付けで知事と協定を締結し、平成27年3月31日までの期間、植林や保育管理を行っています。
 平成23年2月4日の下草刈りや枯木や不要木の伐採撤去から始まり、植栽基盤診断士を中心とした現地調査。その結果をもとに土壌改良・植栽計画を行い、平成24年3月13日に植樹を行いました。
 植栽する樹種の選考には、千葉県海岸県有保安林整備指針に基づき、海岸からの距離による位置付けから、混交林(クロマツ+常緑・落葉樹)で構成をする事となりました。
 クロマツは、マツノザイセンチュウの接種検定済みクロマツとし、常緑樹及び落葉樹の選考に関しては、現地の周辺調査を行い、実際に生育している既存樹のリストアップをし、その中から常緑樹は、タブノキ・ヤブニッケイとし、落葉樹は、オオシマザクラ・エノキ・ネムノキとしました。
 その後、経過観察を行うにあたり、フォローアッププロジェクトが始まりました。
 平成24年につづき平成25年11月3日、植樹の際にも参加していただいた皆様のご協力の下、平成25年度、最後の下草刈りの際に、枯死した樹木に対して植替え作業を同時に行いました。




●生育状況 4回/年
●地下水位観測 12回/年


■ 経過観察を続けて・・・

 経過観察を始めてから1年半が過ぎました。
 まだ、これまでのデータを集計・分析をするまでには至っておりませんので、比較検証など結論付けをする事はできませんが、海岸沿いでの植栽環境の現状が少しずつですが見えてきました。但し、ここ数年の天気が異常気象により安定していないのか、このような気象条件がこれからも続くのかどうかはわかりませんので、経過観察を行ったこの間に感じた事です。
 まず、植栽計画を行うにあたり、植栽基盤の状況と同時に気象条件も考慮しなければならない大きな生育要因である事に気づかされました。
 生長に大切な水分について、保水力のアップや排水性改善等の改良に取組んだ土壌改良を行いましたが、それ以前に、梅雨時期に雨が少なく、通常夏場に起る夕立もなく、7月後半から8月に掛けて降水が全くありませんでした。
 この為、春先から初夏にかけて生長した樹木が、夏に水分不足で枯れるという状況が2年続きました。特にマツや落葉樹に比べ、常緑広葉樹は大半が枯れてしまう状況です。
 落葉広葉樹は、水分不足を感じると自己防衛機能からか、葉を落とし葉からの水分蒸散作用を抑え休眠状態になり耐えていたようです。

 また、地下水位の変化では、10・11月には低い地点では、30p下には地下水が滞水している状況にあることが分かりました。
 このような環境条件の中で、立派な海岸保安林を形成していく為にも、今後もより多くの状況変化を観察・計測し、造園業界において有意義なものとしたいと考えています。
 是非とも、多くの会員企業の方に参加して頂き、実際に現地で体感して頂きたいと思っています。
(榊原)



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