一般社団法人 千葉県造園緑化協会
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社会貢献(災害復興緑化プロジェクト活動)

災害復興緑化プロジェクト活動

活動趣旨

 東日本大震災により千葉県内海岸埋め立て地域を中心とする液状化現象によって噴出した大量の土砂の一部を再利用し、植栽基盤層を作り、緑化推進や高潮を軽減する「緑の防潮堤」の育成が目的で植樹活動が行われています。
 災害復興緑化プロジェクト活動では、豊かな経験・知識を持つ植栽基盤診断士など多くの専門技術を生かしながら、地域に適した街づくりに貢献しながら、活動をしています。
 平成23年度11月より、植樹活動が始まりました。災害復興プロジェクト活動は平成24年4月より活動を開始し、土壌調査・樹木育成調査・植栽実証試験などを行っています。
 現在は、千葉県湾岸地域(習志野地区・浦安地区)の2地区で活動を行っています。

活動状況


■ 習志野地区

 25年度は、習志野市・茜浜地区において、3月7日より植栽実証試験をスタートしました。先に行われている浦安市の実証試験データを踏まえたうえで、植栽基盤診断士の方々にお力添えを頂き、土壌調査・樹種選定を行い千葉県造園緑化協会版「緑の防潮堤」植栽実証試験がはじまりました。
 植栽面積25u・植栽本数70本・平均盛土厚1mで基盤層は噴出土60%溶融スラグ40%、アルカリ中和改良剤10kg/?を混合撹拌して基盤層とし、表層には赤土1?に対しパーライト10%、コンポスト20%を混合撹拌し、盛土後さらに基盤層と表層がなじむように混合し植栽基盤層を築堤しました。施工には、プロジェクトメンバー・習志野市造園工事業組合の皆様に協力を得て造成・植樹を行いました。10月にはプロジェクトメンバーにより除草作業・育成状況調査を行い、11月には、枯死した樹木に対して植え替え作業を行いました。


成育状況(平成25年11月19日)


全体風景(平成25年11月19日)


■ 浦安地区

 浦安地区の現状は23年植樹部分を24年6月に土壌調査の結果を踏まえ、試験区として20uをパーライトによる土壌改良を行い、8月に除草作業・育成状況調査を行いました。
 また、24年度植栽部分には習志野市と同様に客土を補充し指定樹種以外(13種類)の樹種を加え、地域周辺でよく植栽に使用されている、マツ・クロガネモチ・アキニレ・トウカエデ等の樹種を加え植栽実証試験をスタートしました。
 25年度植樹は、3回目となりますが11月16日に浦安市内各小学校・地域団体の方々と一緒に参加しました。植樹規模は面積1500u・植樹本数は高中木苗木13種類3400本でした。

生育状況

 災害復興緑化プロジェクトを開始してから1年半が経過しましたが、ここ数年の異常気象により気象害による樹木の成長が安定していないのが実情です。この様な、気象環境の中で造成直後(盛土)の植樹は気温変化の厳しい環境下になり、植樹後2・3年間は気象条件等も考慮していかなければ、自然再生が難しいものと痛感いたしました。
 植樹後の灌水は自然降雨による供給を主体としましたが、24年度植樹部分(浦安地区)は約3割の樹木が枯死に至ってしまい、完全に活着するまでには定期的な育成状況調査を行い、その結果に応じた適切な処置を行うのも必要である様に感じました。10月に補植作業を行いマルチングの厚みを薄くしました。

パーライトによる土壌改良(23年度植樹)


 23年度植樹部分の成長過程は、枯死が少なく、樹高80p〜100p程度まで成長はしています。パーライトを使用した土壌改良区では、樹高150pまで成長していて、多少の成長に差が見受けられる様になってきました。成長段階に必要とする保水力・通気性などの土壌環境が育成適地に近づいていけるように観察を続けて行きたいと考えています。
 また、習志野地区の成長状況は、落葉樹・常緑樹の成長が良好で樹高150pまでに成長しています。クロマツは、強風に曝され葉先の一部分が葉こすれをおこし多少の潮害が現れ変色が見受けられました。
 今後さまざまな環境条件の中で、「本物の森」にいち早く近づけるように、地域の再生に取り組みながら貢献したいと考えています。
(川口)





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