一般社団法人 千葉県造園緑化協会
  HOME 協会概要会員紹介リンク集お問合せサイトマップ


社会貢献(
造園的放射能除染 技術研究プロジェクト活動)

造園的放射能除染 技術研究プロジェクト活動

■ 第29回都市公園コンクールで日本公園緑地協会長賞受賞

 千葉県造園緑化協会で応募した「基盤整備作業機(FTM)を用いた造園式芝生除染・更新工法」が、第29回都市公園コンクール材料・工法・施設部門で日本公園緑地協会長賞を受賞しました。都市公園コンクールは、都市公園の設計や施工、材料・工法・施設、管理運営、企画・独創について広く募集し、その中から特に優秀なものを表彰することで、技術水準の向上や新時代の都市公園創造へ寄与することを目的に開催しているもので、主催は日本公園緑地協会、後援は国土交通省です。表彰式は昨年10月30日に、「ひろげよう育てようみどりの都市」全国大会にて執り行われました。


■ 県立柏の葉公園の芝生地除染試験

 「基盤整備作業機(FTM)を用いた造園式芝生除染・更新工法」は、除染と保全の両立を最大の特徴として、芝生や草地を根こそぎ取り除くのではなく、汚染度の高い部分(サッチ層とルートマット上部)のみを除去する工法で、緑の果たす公益的機能を継続的に維持し、緑の保全と除染を両立させるものです。
 地下の匍匐茎や根が残っているため、掘削除去や天地返しに比べ、回復が早く養生期間の短縮になるとともに、発生汚染材の量も少なくなります。また、施工時期にもよりますが、施工後のメンテナンス(施肥・目土・灌水等)を低廉にすることが出来ます。
 協会では県土整備部と共催し、平成24年3月8日、県立柏の葉公園のさくら広場の芝生地において、東日本大震災の原発事故に伴う放射性物質で汚染された芝生地を除染するため、約0.3haを対象に現地試験を実施しました。基盤整備作業機を用いて芝生を刈り、スイーパーで残渣を吸収、施工前後で放射線量を計測した結果、目土を施した場合最大で6割以上の除染効果が見られました。
 また、千葉県内の放射能汚染地域において造園的手法を用いた除染技術の確立と普及を目指す目的で、協会では造園的放射能除染技術研究プロジェクトとして活動を開始しました。平成24年6月13日、千葉県と協会が共同で実施した県立柏の葉公園のさくら広場の芝生地の除染試験地において空間放射線量の経過確認を行い、隣地の芝生とそれほど遜色ない程度に芝が回復していました。除染する基準値0.23μSv/hを下回り、今回の除染試験工法の効果が確認できました。


■ 県立柏の葉公園の芝生地除染試験

 震災から3年近く経過しますが、セシウム134の半減期を迎えたことで、ある程度の高さの放射線量は測定されなくなってきていると思います。しかしセシウム137の半減期は30年とされ、未だ消えることなく残留しているのが放射性物質です。事故を風化させないために、今後も産学官民が協働で、放射能除染に取組む必要性があると思います。
 この造園的放射能除染技術研究プロジェクトを活用し、我々造園人が日々見識を深め、造園の知恵と技術で安全・安心な緑を育む取組みを、さらに広げていく必要性があると思います。
(松戸)



造園的放射能除染 技術研究プロジェクト活動TOP
 COPYRIGHT(C)2006- CHIBA LANDSCAPE CONTRACTORS ASSOCIATION.ALL RIGHTSRESERVED.
 掲載の内容・写真の無断転載を禁じます。全ての著作権は(一社)千葉県造園緑化協会に帰属します。